廃墟同然の空き家を利活用して若手作家の表現の場へ

この新しい取り組みを根付かせていくためのクラウドファンディングも開始

千葉県松戸市のまちづくりプロジェクト MAD Cityを運営する株式会社まちづクリエイティブは、松戸在住のアーティスト taka kono氏と協働で、自社の運営物件である雑居ビル セザール松戸にオンライン連動型アートスペース「mcg21xoxo」をオープンしました。

コロナ禍でのアートのあり方を変えるために

JR松戸駅西口から徒歩5分の場所にある雑居ビル1階にオープンしたアートスペース「mcg21xoxo」は、目の前にストリートアートが描かれた陸橋があり、近隣には多国籍な食材店が立ち並ぶなど、様々な文化が混在する立地に誕生しました。

アートスペース「mcg21xoxo」の企画/ディレクターを担当する taka kono氏は、2019年に松戸に移住したアーティストです。2020年1月に自身の個展『noomoon』を開催したのをきっかけに、このギャラリーの常設化について考えていたそうです。2020年6月には再び自身の個展を企画するも、緊急事態宣言の余波で中止に。この時に、アーカイブでも作品の鑑賞ができる仕組みの必要性を強く感じたといいます。

この「mcg21xoxo」で開催される展示会/イベントの作品はすべてオンラインで観覧が可能です。その中でも特に気になった作品がある、深く作品と向き合いたい、といった時のために同スペースは存在します。

これまで、アート系のイベントは会場に足を運ばなければ作品を見ることができませんでしたが、オンラインを展示の“場”として機能させることでより多くの人にアートに触れてもらう機会を増やし、オフラインの場で作品と向き合う、コロナ禍に最適化した展示のあり方を提示できるのではと考えています。

若手アーティストの表現がより多様化するなか、都会の同スペース規模のギャラリーでは会場内で使用できない素材があるなど表現の制約が課題となっています。本プロジェクトでは、ギャラリーに作品を飾らなくても、自分たちで見つけた場所に自分たちで展示し、Instagramに投稿して人を呼んだりと、インディペンデントに活動している若手アーティストの意向をサポートしていきます。

作品が売買されるたびに作家にインセンティブが入る仕組み

展示に出展する作品には全てQRコードをつけ、「Cert」と呼ばれるオンライン上のデータベースに登録します。このシステムは、作品の来歴(所蔵歴や価格)を追跡することができ、作品が売買されるたびにその収益の一部が作家に還元される仕組みになっています。

作品が作家の手を離れてから価格が高騰することはよくあることで、商業的な価値とアートとしての価値がうまくリンクしていない現状があります。このシステムは、未来のイメージづくりであり、作家が正当な評価を得やすくなる利点も鑑みて採用しました。

1月から半年間の展示リレーを開催

そして、同スペースでは先月より6ヶ月間連続の展示リレーを開始しています。色んなアートスペース/コレクティブと展示内容が配信される予定です。

【mcg21xoxoの展示(一部はすでに終了しています)】

12/12-1/10 taka kono「dream knowledge, no, ledge, noh, no knowledge」

1/16-1/30  runurunu + HIRARI IKEDA + Risako Yamada

2/6-2/27 鈴木操 + 原田裕規 + 高橋鉄「damp plosive roam」

3/1- 3/7 Galen Erickson + Kwan + Valerie You「鬼由心生」 

3/13-3/27 GRUPPE UNO WIEN「it's always someone's birthday」

4/3-4/24 Philip Hinge + Mary Audrey Ramierez + Lorincz Aron「タイトル未定」 

5/1-5/22 Hanna Umin「タイトル未定」

※会期はいずれも金曜日から日曜日です。月曜日から木曜日にご観覧いただきたい場合は、事前にmcg21xoxoまでご連絡ください。

mcg21xoxo

「mcg21xoxo」は、2020年12月に千葉・松戸にオープンした、従来のギャラリーの在り方を見直すことを目的としたスペース。同スペースディレクターのTaka Konoは、「未来において残骸と化したホワイトキューブ」を仮想し、ギャラリー空間に紐付けられたアートオブジェクト、観客、アーティストの関係性を未視感的に再考する実験場であると話す。また、展覧会とアーカイブの関係性の見直しも主眼として、実物の展示ではなく記録行為に主軸を置き、構成された認識への実在的な問いかけを提案する。

WEB  https://mcg21xoxo.com/

Instagram https://www.instagram.com/mcg21xoxo/

クラウドファンディング開始 2月〜、下記サイトより松戸の新たなアートスペースの持続的な運営と、アート展示の新しい形を叶えるために、クラウドファンディングがはじまりました。この取り組みにご賛同いただける方は、ぜひサポートをお願いいたします。

タイトル:ホワイトキューブの残骸をイメージした展示会場「mcg21xoxo」から新たなアートを届ける

URL:https://motion-gallery.net/projects/mcg21xoxo

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